デザイン人間科学部門では教員によるゼミを行い、教員間の研究交流を深めています。
教員ゼミはどなたでも参加いただけますので、ご興味のある方のご参加をお待ちしております。
開始時間:17時
場所:九州大学大橋サテライト「ルネット2階」
| 日程 | 話題提供者 | 題目(題目をクリックすると概要が現れます) |
| 2013.3.27 | 伊藤浩史 | 体内時計とは何か?:非線形動力学と生化学から font> 私達ヒトは約24時間周期で寝起きを繰り返す。これは私たちの体の中にある体内時計がそうさせているからだ、としばしば説明される。しかし体内時計それ自体を見たことがある人はいるだろうか?いないはずである。実はこの問題は専門家の間でもまだ議論されている問題である。 このゼミの前半では体内時計は何かという問いに対して、非線形動力学という物理学の一分野がどのように答えてきたかについて簡単に解説する。後半では、私自身の研究の一部を紹介し、最近の生化学実験から体内時計の実体を探る研究の進展について紹介する。
font> |
| 2013.4.10 | 小崎智照 | 人間の生体リズムへ作用する光特性 font> 人間は24時間と異なる概日リズムをもち、本来であれば自然光(太陽光)の明暗サイクルに曝されることで概日リズムを生活リズムに同調させている。しかし、近年の人工環境ならびに人工照明の普及により、地下街といった昼間でも薄暗い環境や、コンビニエンスストアのような夜間でも明るい環境が存在する。そのような環境では人間の概日リズムが生活リズムと乖離し、睡眠問題やそれに伴う健康リスクが引き起こされる可能性がある。本発表では、光による生体作用に関するこれまでの知見を説明し、人間にとって適した光特性について紹介する.
font> |
| 2013.5.28 | 妹尾武治 | ベクションとは何か? font> 自己移動感覚は視覚、聴覚、前庭感覚、触覚などの多数の感覚器によって支えられている。その中でも、視覚が占める重要性は高い。そのことを端的に表すのが、視覚誘導性自己移動感覚(ベクション)である。自己移動感覚は、視覚のみから構成する事が可能であり、静止した身体に錯覚的な自己移動感を与える事が可能である。ゼミでは、このベクションについて、その時間特性などの諸側面について、概観し、ベクションを効率的に引き起こす事が可能な視覚刺激の特性について記述する。また、他の心理特性とベクションがどのような関係にあるのかについて、網羅的に紹介を行って行きたい。
font> |
| 2013.7.2 | 安河内朗 | 生理人類学の考え方と研究の取り組み font> 生理人類学はヒトの環境への適応能に焦点をあてる。長い時間をかけて生物学的に適応してきた環境は狩猟採集の生活環境だが、それとはまったく異なる現代の環境を当たり前に捉えているところに課題がある。適応してきた環境と積極的に受け入れようとする現代の環境とのギャップが如何に生じてきたか、ギャップによるヒトへの影響をどのように評価するか、またその成果をどのように社会へ還元しているかを概説する。
font> |
| 2013.8.1 | 能野謙介 | 粗さと触覚 font> |
| 2013.8.20 | 伊藤裕之 | 眼と脳の機能的連携 font> 「目でものを見る」という表現をしばしば使うが、眼の生理学的構造は我々の経験する視覚的世界からは想像できないほど、不都合だらけである。網膜には血管や視神経を通す穴があり、網膜表面には血管がはいまわっている。周辺部では錐体が著しく少なく、視野は半分ずつ別の大脳半球に送られる。眼球運動で映像はぶれ、まばたきで中断される。我々の視覚システムは、眼と脳の機能的連携によってこれらの不都合を補い、ほぼ完全な視覚体験を生じさせている。これらの問題点を整理し、今後の研究の方向性を探る。
font> |
| 2013.9.5 | 綿貫茂喜 | 快・不快刺激を与えた時の生理反応の特徴 font> 本日は私の研究室での最新の研究成果(快・不快刺激を与えた時の生理反応)をご紹介します。当研究室では視覚・聴覚・嗅覚・体性感覚(触 ・振動)刺激を与え、種々の情動が生じた時の生理反応(脳波・自律神経・内分泌・免疫系)の特徴を幅広く探っています.これらの基礎研究は、種々の高機能付加価値製品の開発に繋がっています.
font> |
| 2013.9.20 | Remijn Gerard B. | Perception and brain research font> An overview of brain imaging techniques, such as magnetoencephalography (MEG), near-infrared spectroscopy (NIRS) and electroencephalography (EEG), will be given in combination with research on human perception. In particular, data will be presented on perception and cortical functioning of adults, preschool children, and autistic children, with regard to the auditory modality (e.g., tone perception, speech), the visual modality (perception of static images and motion), or a combination of perceptual modalities (e.g., visuotactile perception).
font> |
| 2013.10.3 | 白石君男 | 学校教育における音響環境と聴覚補償 font> 学校の教室では,スピーチ・コミュニケーションを介して知識の伝達、意見の交換、経験の共有がおこなわれる。騒音や残響といった音響環境が劣悪な場合は,その情報伝達量は大きく低下し,学習による知識構築や読み書き能力の発達を阻害する可能性がある。ここでは,教室の音響環境を表す物理的指標の残響,騒音,Speech Transmission Indexについて概説し,それらの測定事例や,最近の教室における音響性能のガイドラインを紹介する。残響と騒音は,難聴者の音声知覚を健聴者のそれよりより大きく劣化させる。最後に教室の音響環境を改善するための音響設計や,補聴器周辺機器,拡声システム,補聴器の機能などの聴覚補償についての方法について紹介する。
font> |
| 2013.10.24 | 高木英行 | 進化計算と対話型進化計算 font> 最適化手法としての進化計算の原理,および,人間の評価に基づく最適化手法としての対話型進化計算の応用事例を紹介する両技術の解説を初めに行う.続いて,対話型進化計算研究の取組と人間科学のためのツールとしての取組を紹介する.
font> |
| 2013.11.14 | 樋口重和 | ヒトの光環境への適応 font> 光は概日リズム、睡眠覚醒、内分泌動態、自律神経など様々な影響をヒトに及ぼしている。これらの影響は色や明るさの知覚とは異なり自覚されることはあまりない。ヒトには地球の明暗サイクルに同調した約24時間の概日リズムがある。しかし、実際の自然環境では光の明暗サイクルは一様ではなく、季節や緯度で大きく変化し、例えば冬季の日照不足は気分に影響する。一方で私たちは昔では考えられないほど明るい夜を過ごしている。人工照明の恩恵は計り知れないが、夜の光が概日リズムを乱したり、夜勤者においては癌のリスクを高めたりする可能性まで指摘されている。本セミナーでは、自然または人工の光に対する人間の適応について紹介しつつ、今後の研究の可能性についても光を当てたいと思う。
font> |
| 2013.12.5 | 上田和夫 | 多変量解析による音声の分析と音声知覚の研究 font> 人間の音声知覚はどのような手がかりをもとにして行われているのであろうか。音声知覚は,音声に含まれる変動性や音声を劣化させる時間・周波数領域におけるさまざまな歪みに対して非常に頑健である。しかし,この音声知覚の頑健性(冗長性)は,音声の時間・周波数パターン上で,型板をいくつも用意して,それらを系列的に当てはめるようなやり方では,とても説明することはできない。そのようなやり方は,型板を当てはめるべき,安定した不変のパターンが,音声の時間・周波数パターン上に(せいぜい時間軸を伸縮するだけで),簡単に発見できることを前提としているからである。音声知覚の頑健性は,たった4帯域のパワー変化だけの情報から,音声を知覚できることでも示されている。このことと,さまざまな言語の音声に見られるパワー変化を因子分析した結果とが結びつくことが,最近の研究により,明らかにされつつある。本報告では臨界帯域フィルターを通した音声のパワー変化について因子分析を行った研究結果と,そこから得られた周波数帯域を用いて雑音駆動音声を作成し,知覚実験を行った結果から,音声知覚の特性について考察する。
font> |
| 2013.12.5 | Mark A. ELLIOTT | Golden Section Effects in Visual Cognition: A Signature for Complex-System Organization? font> Search reaction times (RTs) are slower to target sections of a multi-sectioned display when the ratio between larger to smaller sections is equivalent to 1.61803. Using a visual-search task we sought to establish whether this effect was due to the spatial frequency structure of the displays. We added visual noise to each display matrix which had the statistical effect of convoluting the existing spatial frequency structure with a uniform distribution, and reduced RTs consistent with our expectations.
font> |
| 2013.12.26 | 村木里志 | 高齢者・動作不自由者の身体運動科学と生活デザイン font> 老化や障害によって運動能力が低下すると、日常生活が不自由になります。その不自由を解消、軽減するためには、運動能力に応じた生活環境・製品の設計に加え、運動能力の低下を防ぐための対策が必要です。本セミナーでは、高齢者と身体不自由者の身体運動特性に関する研究成果を紹介しながら、望ましい生活デザインを考察します。
font> |
| 2014.4.25 | 須長正治 | 色彩科学のデザインへの応用と課題 font> 本講演では、小生の色彩・視覚科学研究室で取り組んでいる研究の概要について触れ、その中で、研究室にて取り組んでいるカラーユニバーサルデザインに関する研究を具体的に紹介する。さらに、カラーユニバーサルデザインをより浸透させるための課題を指摘し、現在取り組んでいる方策について述べる。
font> |
| 2014.5.30 | 平松千尋 | 進化研究のこれから:色覚の進化を例に font> |
| 2014.5.30 | 山下友子 | 音声言語の獲得 font> |
| 2014.6.27 | 中島祥好 | 聴覚の文法 font> |
| 2014.7.18 | 坂田年男 | 計算代数統計学とは何か? font> |